旅という非日常

お土産考

もう20年位前になるでしょうか、同じ題名で土産について書いたことがあります。基本的には今も考えは変わってはいないものの、これだけ全国あちらこちらへ足を運び、年数を重ねてみると、多少なりとも思考が柔軟になったような気もします。PCをいじるようになってネットのお世話になることも増え、付け加えたい部分が出てきたのも事実でしょう。

私の基本的な考え方は、お中元・お歳暮にも通ずるのですが、儀礼的なお土産は不要だというものです。特に職場に買って帰る必要は、全くとはいいませんが、ほぼないでしょう。親しい間柄でやり取りするのはまあ許せるとして、休んだことに対する代価、あるいは申し訳での土産は、私にいわせると愚かで勿体ない以外の何ものでもありません。

休暇というのは労働者に保障された権利であり、それを使って何処へ行こうが個人の自由です。休んだから申し訳ない、同僚など他者に負担や迷惑をかけた、だからせめて土産を買って帰る。その位は義務であり、礼儀である。そんな考えは不毛であり、馬鹿げています。

権利なのだから、堂々と休めばいいのであって、そこにお土産を買う、買わねばという発想が出てくること自体がおかしいのです。「日本人は休み下手」といわれますが、土産もそれに含まれているのではないか、そう結論づけたくなります。