膠原病リウマチ痛風センターの所長が、患者とその家族のために綴った「センター便り」をまとめた、心あたたまるエッセイを連載でお届けします。

2014年11月1日 診療ガイドライン

プロ野球も今シーズンの日程が終了しました。今年は子供の頃からずっとファンであった球団が日本一になり、私にとってはとても嬉しいシーズンでした。

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プロ野球では、腕に覚えのある優秀な選手が移籍して、貴重な戦力になります。一方では生え抜きの若い選手たちが切磋琢磨しています。監督は、チームを機能させるために、この2つの力をうまく使うことが求められています。

我々大学に所属する医師は、医局というプロ野球の球団のような組織に属しています。膠原病リウマチ痛風センターの医局にも、生え抜きの医師も途中から移籍してきた医師もいます。

生え抜きの若い医師をいかに大きく育てるか、他の施設から移籍してきた医師にいかにやりがいのある場を提供できるか。そのために必要なことは何かを考えることが、施設の長の大切な仕事です。そのことを、今年の日本シリーズを見ながらしみじみと考えた次第です。

本日は、「診療ガイドライン」について説明します。先月(2014年10月)、『関節リウマチ診療ガイドライン2014』が出版されました。これは厚生労働省研究班の仕事として、私が中心となって全国の優秀な医師が集まって作成して、3年の年月をかけて日本リウマチ学会から出版したものです。

私は、2010年には痛風・高尿酸血症のガイドラインも作成しましたので、これでリウマチ性疾患の中の重要な2つの疾患のガイドラインを作成したことになります。医学の進歩は日進月歩で、新しい治療法や治療薬が次々と生まれています。実際、関節リウマチや膠原病、痛風は少し前とは比べられないほど治療が進歩しました。