地方財政法第十条、国庫負担となる33項目の最初に「義務教育職員の給与」というのがある。

つまり、小中学校の教師の給料であるが、地方公共団体は、言うまでもないことだが、「何もしなくていいですよ」といって給料を出しているわけではない。「給料を出すから授業などの教師としての仕事をしてください」と反対給付を求めているのだ。国は地方公共団体に反対給付を求めてはいないが。

ただし、定義の一字一句にこだわってもあまり利益はないので、行政実務において補助金の定義について頭を悩ますことはほとんどない。

例えば、前掲の『地方自治全集補助金』では「補助金の定義」というセクションはないし、補助金とは何かという説明はない。しかし、補助金をめぐる問題について論ずる場合は、定義がおおまかであると人によって補助金のイメージが異なることがあり、何が議論の対象となっているかなど論点が明確でなくなるおそれがあるかもしれない。

ただ、その場合でも重要なのは定義よりも分類だろう。そこで以下では、便宜上、補助金を大きく二つに分けることにする。いろいろな分類基準があると思われるが、ここではこれからの議論の便宜上、“支出先”で分類する。

以下では、国から地方公共団体に支出されるものを「補助金A」、国または地方公共団体から民間に支出されるもの、つまり政府部門から非政府部門に支出されるものを「補助金B」と呼ぶこととする。