薬にまつわるシークレットな話

中村:これまで先生に伺ったことは、ほんの一部で氷山の一角にすぎないということですよね? しかし、本当に薬の副作用は怖いですね。私の女優仲間に長年アトピーにかかっている人がいて、結構苦しんでいます。アトピーの薬にも副作用があるんですか?

溝口:もちろんです。抗ヒスタミン剤とステロイドの合剤でアトピーやアレルギー性鼻炎に処方されるセレスタミンという薬があります。この薬にはリンデロンが入っており、長時間作用型のステロイドとして副腎の働きを抑えてしまいます。

この薬を半年から一年ぐらい服用していた患者が突然やめるとどうなると思いますか? 自前のステロイドホルモンが出にくくなってしまうという状態に陥り、禁断症状が出ます。

そして、アトピー用の塗り薬(ステロイド系)も急に塗るのをやめると、真っ赤な湿疹が出て熱が出ることもあります。いかに薬で抑えているかがわかると思います。

ざっと挙げただけでもこれだけの副作用がありますし、薬の多様化と医師の誤診による薬の誤処方が本当に多くなっています。また製薬会社との兼ね合いもあり、高いけど新しい薬(新薬)を処方するという流れになっているのも事実です。

中村:薬の普及(特に新薬)は製薬会社にとってビッグビジネスだという事実はわかりますが、そのビッグビジネスと大切な患者の体を悪い意味で結びつけるのだけは止めてほしいですね。

溝口:院内薬局の場合は薬の有効期限が切れそうなものから巧みな営業トークで在庫を処分しようとしますし、大きな病院では高額な薬の不良在庫が生じないように患者へ勧める場合があります。保険制度により、一般的な薬でも高額な薬でも患者にかかる負担は変わらないので、在庫を処分する際には高額な薬の方から勧めます。

もちろん、製薬会社との関わりもあるので、医者は高額な薬から売り込んでいきます。医療費は増える一方です。

中村:アメリカなどの医療費は高額だと聞きますが、そういう意味では日本の患者はまだまだ恵まれていますよね?