薬にまつわるシークレットな話

中村:私もそうやって治っていった患者を多く聞いたり見たりしていますので、いつも先生のところで治療すればいいのになぁと思っていました。先生は随分前からこういった薬と認知症の関連性を患者へ説明していましたよね。

溝口:もう何年も前から言い続けていましたが、信じる人もいれば信じない人もいました。しかし、2年ほど前に厚労省がこういった薬の危険性を取り上げたことによって、患者自身も少しずつ気づき始めています。

デパスに代表されるエチゾラム、アモバンに代表されるゾピクロンの2種類は「この薬を投与できるのは上限30日です」という規制がかかり、第三種向精神薬に指定されました。事実上、これらの精神安定剤・睡眠導入剤のリスク(副作用など)を認めたということにもなります。

実際、認知症の発症率を高める薬としてエチゾラムやゾピクロンが挙げられています。心療内科にとってカウンセリング(定期的な検査・診察)や継続的な薬の投与は安定収入源の一つなのでそういうことは言わないと思いますが。

中村:薬にまつわるシークレットな話、患者があまりにも知らないことが多すぎますね。

溝口:日本の場合は意外と注意喚起で終わってしまうことが多いんです。欧米では何十年も前に規制がかかっているんですけどね。