これって、極端なことを言うと、非常に不公平ですよね。医療技術の質はかかる医者、かかる病院によって雲泥の差があります。

不満があろうとこの現行制度がある以上、どうしようもありません。しかし、何とかしていい医者にかかりたいというのが患者の本心。どういう医者が良くて、どういう医者が悪いのか、巻末に簡易的にチェックできる一覧表を作成しましたので、それでチェックするのも一つの方法かと思います。

今後の対医療という部分においては、自分の身は自分で守る。けっして、医者に丸投げしないというのを基本にしていかなければなりません。

中村:一流のお医者さんの知識、技術に関しては、他のお医者さんを圧倒する何かをお持ちだということは素人の私でもわかりますが、その他には何が違うのでしょうか?

溝口一流の医者とダメな医者では知識や技術はもちろんのこと、道具の選び方や使い方一つとっても違います。スーパードクターとしてテレビなどで紹介される医者がまさしくそうです。

たとえば、脳神経外科医が手掛ける悪性腫瘍手術などにはミクロン単位の技術が要求されます。執刀医としての技術もさることながら、数多くの経験がものをいいます。そして、自分なりの考えと経験から得たアイデアで既製品を進化させた医療器具を戦力にしなければ太刀打ちできません。

なぜならば、ミクロン単位の手術を手掛けるには自分の手や目だけでは限界があるからです。生命にかかわらない部分に脳腫瘍ができていた場合は、スーパードクター以外の医者でも執刀できるでしょう。

しかし、複数の神経や血管を巻き込んで生命にかかわる脳幹にも及んでいた場合などは、その道具が術者の意図通り、ミクロン単位に使われなければ難易度の高い手術は成功しません。それだけ、一流といわれるスーパードクターは道具にもこだわっています。

中村:道具というものも非常に大切なんですね。

※本記事は、2019年4月刊行の書籍『ゴッドハンドが語るスポーツと医療』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。