めざせ! スーパー医療国家

溝口:食糧汚染の現実なども医者である以上は押さえておかなければなりません。医者というよりは医療従事者全般(臨床家)ですね。すべての中国食品を否定するわけではありませんが、人件費や材料費の問題で多くのメーカーが中国産の食品や材料を使っています。これは動かしようのない事実です。

直接的、間接的原因を問わず、我々日本人の身体がどれだけ汚染されているか知っていますか? 超高齢化社会にともない認知症問題が大きなテーマとなり、介護問題など解決しなくてはいけない問題が山積しています。

認知症で代表的なアルツハイマー型認知症の実態を知っていますか? なんと、人口比で日本は発症比率世界一です。私はおそらく食材(食生活)の問題だと思っています。なぜなら、身体から検出される重金属類の量もダントツの世界一だからです。

体内に重金属が蓄積するということは、それを含む何かを食べて……ということになります。食材を外国から輸入している依存率も非常に高い。自給率は今や目を覆いたくなるほど低下しています。そうやって総合的に判断すると、アルツハイマー型認知症は食材(食生活)にも問題があるのではないか?と疑うのは至極当然です。

中村:私にも高齢の両親がいるので他人事では済まされない話ですね。

溝口:超高齢化社会の一方で少子化問題というのも同時進行しています。日本は人口がどんどん減少していて、総人口が1億人を切るのは時間の問題とされています。そんな中、自然受胎率は世界最低です。たくさんの子供を産んでほしい世代、30代の妊婦のうち自然受胎は約20~30%。あとの70~80%は人工授精というのが現実なんです。

そして、人口減少に合わせるかのように成人男子の精子数も減りこれも世界最低。本当にこの国は未来の子供たちのことを真剣に考えているのだろうか?と思いますね。これは行政の怠慢以外の何物でもありません。ほとんど手つかず状態ですからね。

生コン工場の話になりますけど、工場から排水される強アルカリ性の処理にしても、中和装置や六価クロム還元処理装置などの設置を義務付けたのは、ほんの15年ぐらい前の話です。それまでは河川に放流していたり、かなりずさんな管理でした。

とにかく遅い。何か起こってからやるのが日本という国。

農薬の問題、水質の問題、土壌(農薬含む)の問題、大気の問題など、自然環境が損なわれていく中で確実に日本人の身体は蝕まれていきました。いきましたではなく、今も続いています。なぜ、このような状況を真剣に打破する対策を講じてこなかったのか? それは日本という国が長期にわたって自民党独占政権であるということも少なからず影響していると思います。

結果、そういう現状を把握していても自民党の巨大な票田である農協や漁協に対してメスを入れることができなかったんじゃないでしょうか。特に農協は強力な組織力を持っていますからね。ここにも国民の健康を犠牲にした利権というものが絡んでいます。

中村:そういうお話を伺うと、だんだん憤りさえ感じてきますね。