核心2

5 5Fからの建設コスト

建物の地耐力度

アパートやマンションのオーナーになろうと思っているなら、土地や地盤の強度や地耐力などもしっかり把握しておきたいものだ。「地耐力」は、地盤が建築物などの重みに、どの程度耐えられるかということを数値化したものをいう。一般的に1階から3階建ての建造物は地耐力30kN(キロニュートン)/㎡、1平米に対して3トンの重さに耐えられる土地や地盤という意味で、4階建ては40kN/㎡、5階建て以上は50kN/㎡以上になる(図1)。

[図1] 地耐力

地耐力は固い地盤ほど値が大きくなる。例えていうなら岩盤の地耐力はとても高く、粘土層は値が低いということだ。私の経験上ほとんどの土地が30kN/㎡以内で3階建て以下であれば杭なしで建設できる。建物が高くなると「40kN」で5~6メートル、「50kN」だと20メートル以上掘らないと、それに耐えうる固い地層に当たらない。

つまり、5階建て以上の建造物を建てるには「50kN」に耐える地層まで掘って、そこに杭を打つ必要があるということだ。そのためには固い岩盤のひとつ手前くらいまで掘らないといけない。

基礎工事だけでも何千万円の追加費用が必要になる。けっこうなお金が掛かるのだ。

基礎と杭、建物の関係

基礎の深さや杭の長さは建物の構造や用途でも違う。そこで物件探しで間取りや立地条件などとともに着目してほしいのが建築構造だ。

大きく分類すると、木造(W造)、鉄骨造(S造)、鉄筋コンクリート造(RC造)に分かれ、このほかに鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)やアルミ造(AL造)、コンクリートブロック造(CB造)などがある。下記の図は、左から木造、S造、RC造の順に並んでいるが、右に行くほど建物の重量が増すため、右に行くほど基礎の深さが必要になる(図2)。

[図2] 基礎の深さと建物重量の関係

木造建築に杭を打つ必要はないが、S造は5メートル、RC造は6メートル必要。悪い地盤だと30メートルの杭を打たなければいけないなど、建物の重さや地盤の状態によっても杭の長さは変わる(図3)。

[図3] 杭の長さと建物重量の関係

さらに、住宅や事務所、倉庫などの用途によっても基礎の基準が変わる。住宅よりも事務所、事務所よりも倉庫の方が、重く過重が掛かるため、同じ構造でも基礎や杭の長さが必ず変わってくる(図4)。

[図4] 杭の長さと建物用途の関係
※本記事は、2019年8月刊行の書籍『大家業は寝ててもチャリンチャリン 工務店社長が教える4つの核心』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。