はじめに

現役大家で工務店を30年続けてきたおやじが、今から投資物件を建てる・土地などの購入を検討する人たちに、供給側の目線で、「どんな土地を買って、どんな建物を建てて、どう収支を立ててやってきたか」ということを紹介する。

思いは、供給側の目線や考えを知り、投資のための事前準備をすることで「アパート・マンション投資で成功する人を増やしたい」この一点。

投資のきっかけはなんですか? 老後の蓄えですか? 遊ぶ金ですか? 家族、嫁さん、子供に楽をさせたい、自分が遊びたいという考えもある。あといくら儲けたいですか? 例えば年に100万円増えたらいいですか? 

遊びたい金が100万円だったら100万円を目標にしよう。子どもに300万円残したいとか、将来の老後のために年間200万円家賃が入るマンションがほしいとか、どんな動機でも目標を持つことが大事だ。

今の生活で十分に飯は食えている人が、ちょっと遊ぶためのお金がほしい。じゃあ何をしますか? 私の話を聞いて、そのお金を投資で儲けられたらいいなということです。

不動産投資がちょっとしたブームになっている。最近はサラリーマンの大家さんも増えてきたが、中には口のうまい営業マンに乗せられて物件を建てたものの、いざアパート・マンション経営が始まるとローンが大変だという人も出ているようだ。そうした話を聞いて、これから投資を考えている人に失敗をしてほしくないという思いではじめたセミナーが『Machida塾』である。

また、大家になるためのポイントをまとめた『5つの流儀』という書籍も出版した。今回の本では、不動産投資を30年続けてきた経験と、工務店経営のノウハウを生かし、工務店のおやじが、どんな物件をつくってきたのか、アパートやマンションはどんな場所に建てるのが理想的なのか、どんな土地を選べばいいのかなどを、供給側の立場から解説したいと思う。

土地の買い方や選び方には、一般には普及していない独自の視点や裏技がある。空いている土地を有効活用したいという人、土地を新たに購入して建築する人、サラリーマンの方で中古物件を購入して利回りを検討している人など、これから不動産投資を考えているというあなた方に、つくり手の裏側事情や、土地購入のヒントを紹介しよう。

本書では、不動産投資を成功へと導くその核心を、次の4つにまとめた。

核心1 「土地」
核心2 「建物」
核心3 「収支」
核心4 「心得」

私はもともと橋の設計に興味を持ち、設計士になりたい、構造計算をしたいという思いから、設計も少しかじりながら工務店業務をやってきた。その独自の目線から得たものは、特に土地・建物の選び方のノウハウである。

その経験を、前著『5つの流儀』に記した不動産投資の「心得」と融合させることで、大家業たる者は、こういう物件を提供していかなければいけない、という思いに至った。少しでも私がやってきたことを伝授できればという思いでいる。

この4つの核心に触れることで、是非とも不動産投資を成功させる確信を得てほしい。

令和元年 八月吉日