1章 つらいことは自分で乗り越えろ

前向きな言葉

車の中で「バカヤロー」「ふざけんじゃねー」と言っているだけで、ストレスは発散するのですが、逆に「怒り」という感情が増加してしまいました。僕は言葉の力を信じています。いいことを言えばいいことが起きる。悪いことを言えばネガティブになってしまう。

「バカヤロー」と言えばストレス発散になりますが、怒りの感情は残ったままです。「怒り」という感情だけではよい方向には進まないと思いました。

僕は、それならば言葉をうまく使ってみようと考えたのです。怒りの言葉を吐き出したら、今度は前向きな言葉で自分を癒やしてやろうと思ったのです。しかし、よい言葉を発しようと思うのですが、なかなか出てきません。

考えてみてください。離婚を決めた僕が「楽しい」って言葉を発せられると思いますか? 僕の答えはやっぱり「NO!」でした。「楽しい」とか「幸せだ」とか言える心情ではなかったのです。

しかし、僕はこれではいけないと思い、「そうだ、怒っていてもいいのだ。顔は怒っていてもいいから、そして怒鳴ってもいいから、前向きな言葉を言ってみよう」と、自分で自分の心を何回も説得しました。とうとう自分の心は「仕方ねぇなぁ。怒った顔で、怒鳴りながらでいいなら、前向きな言葉を言ってやるよ」と折れてくれました。

ようやく僕は怒った顔で「楽しくって、楽しくって、仕方がねぇんだよー」と叫びました。怒鳴りながら、何回も叫びました。眉を吊り上げ、叫んでみました(では次の言葉をビフォーアフター風のナレーションでどうぞ)。

「するとどうでしょう」なぜか僕は吹き出していました。なぜか笑っていました。

脳っておもしろい

「言葉は強い」僕はまたまた実感してしまったのです。「怒鳴ること」と「言葉」どちらが勝つと思いますか?

そう「言葉」の方が強いのです。脳は言葉を受け取ります。僕が「楽しい」と言えば、脳は僕を楽しい男にしようと協力してくれるのです。

あなたは鏡を見てください。そして「怒り」の表情を作ってみてください。

知っている人は知っている昔の大映映画の『大魔神』の怒りの表情になってください。知らない人はネットで調べてね。

自分の顔が見えますか? 表情は怒ってますよね。それではその表情で「楽しくって、楽しくって仕方がねぇんだよー」と言ってください。いくら表情が怒っていても、いくら怒鳴っていても、「言葉」が勝ちます。

そして僕は「楽しくって仕方がない」という言葉で、楽しい男になっちゃったのです。いくら怒った顔をしていても、いくら口調が荒々しくても、言っている言葉が勝つのです。僕の脳は混乱してしまったのです。

怒りながら、前向きな言葉を言っている、この矛盾に混乱している。僕って変なことをしているなって思い、「ぷっぷっぷっー」と吹き出していました。

昔、竹中直人さんのギャグで、「笑いながら怒る人」というネタがありました。竹中直人さんは天才だと思います。人間観察がするどいのでしょう。

竹中さんは現在俳優でいらっしゃいますが、以前はお笑い番組にも出演されていました。人を笑わせることができる人を僕は尊敬しています。

僕は竹中さんの「笑いながら怒る人」ではなく「怒鳴りながら前向きな言葉を発する人」になってしまったのです。そして前向きに物事を考えられるまでになりました。僕は気持ちを持ち上げる方法を手に入れたのです。

僕の心に「怒り」が湧いてきたときのルーティンはこれです。まず、車の中で「バカヤロー」などの怒りの言葉を怒鳴りまくる(少し気が晴れます)。その後に、怒った表情で、前向きな言葉「楽しくって仕方ないんだよー」等を怒鳴りまくる(思わず吹き出します)。冷静になり「ああ、僕は幸せなんだなぁ」としみじみと言う(本当に幸せな気分になっています)。

脳はなぜ幸せなのかをこれでもかと僕に教えてくれます(健康であること、天気がいいこと、意外と仕事がうまくいっていること等々)。落ち込もうとしている心が出てきたら、僕はこの行動をとります。これを習慣化したのです。

※本記事は、2019年6月刊行の書籍『「つらい」と思っている人へのエール あなたは本当に魅力的な人間ですね』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。