創業を心に決めたきっかけ

藤田社長と二見専務が語ったこと

そして、アコス社の藤田通麿社長は二見文麿専務の弟さんですが、二人は個人商店からはじめ、福井で一番大きな冷凍食品会社に発展させました。大変苦労されましたが、実際の経営ノウハウが豊富で、具体的な会社の経営方法を私によく教えてくださいました。

例えば、二見さんはこんな言葉を残しています。

「会社の経営データーを見れば経営の状況が大体わかる。上場企業のデーターを読んで練習すること」

「大金が一度儲かるより、牛の涎(よだれ)のようにコツコツとやって儲けたほうがいい」

「お客様を大事にしなければならないが、仕入先も大変重要だよ。いい仕入先は常にいい商品を提供してくれるから」

「倒産した会社は大体放漫経営だったり、内部紛争が起きやすかったり、儲かるときは浪費したりすることが多いこと」

また、藤田社長は

「商売は一歩ではなく半歩でいい」

「小さい会社は一円玉から儲けよう」

「会社を発展させるために常に新しいことを考えること」

などと話してくれました。これらの言葉は今も私の経営の指針となっています。

このように私は運が良く、福井で会社の創業者三人に出会ったからこそ、いまの会社を作ることができました。本当にありがたくて感謝の気持ちでいっぱいです。

また、それまで読んだことはない中国の古典である孔子の『論語』、老子の『道徳経』、孫子の『兵法』、司馬遷の『史記』および日本の歴史、特に織田信長や豊臣秀吉や徳川家康など戦国時代の本や司馬遼太郎の書いた歴史小説を読みました。

いろいろな本を読んだときもその時代や背景を想定して、人間の知恵を吸収しました。また、自分ならどう対応するかを想像してシミュレーションしました。