創業を心に決めたきっかけ

約100社の創業者の本を読む

私はもともと有著名人の心理と実際の変化に関する伝記に興味を持っているので、すべてしっかり読み、深く理解しようとしました。また、図書館へ行って、日本の超一流会社の創業者である豊田一郎(トヨタ自動車)、松下幸之助(パナソニック)、稲盛和夫(京セラ)、盛田昭夫と井深大(ソニー)、本田宗一郎(ホンダ技研工業)、早川徳次(シャープ)、井植歳男(三洋電機)および三島海雲(カルピス)、櫻田 慧(モスフードサービス)等いろいろな社長の伝記や履歴の本を借りて約100社の創業者の本を読みました。

それぞれユニークなアイデアを持つ企業を知り、それぞれの知恵で会社を大きく育てることとなりました。数多くの創業者の創業史を読んで、啓発やヒントや悟りがいっぱいありました。

例えば、それまで世界の超一流の社長である松下幸之助さんとしか知りませんでしたが、その伝記を読んで、大変驚きながら、感銘を受ました。

松下さんは「財産もない、学歴もない、健康にも恵まれない」という三無で、9歳から丁稚奉公 (でっちぼうこう)をして、両親や兄弟姉妹の大半が早く亡くなり、文字通り「ないない尽くし」からの出発でした。でも消極的な思いはないし、むしろ逆にマイナスを生かして、積極的で前向きな気持ちで自分の人生を導いたということです。

感銘を受けた松下幸之助の言葉

松下さんの著書『人生心得帖』(PHP研究所、2001年・5月)には次のように書かれています。

1.体が弱かったから、人に頼んで仕事をしてもらうことを覚えた。

2.学歴がなかったから、常に人の教えを請うことができた。

3.財産がなかったから、世の辛酸を多少なりとも味わうことができた。

4.お金がないから、一歩一歩着実に進んで、すべてムダをしないことにした。

しかも、松下幸之助さんは小学校も卒業されませんでしたが、よく勉強し自分の考え方をまとめて生涯120冊以上の本を出版され、無数の講演会をされました。また、早稲田大学名誉博士となられました。経営者として世界中に尊敬され経営の神様だと言われています。