3 医学部教養で自由な学習を

④生きた英語を学ぼう

英語検定が以前から広く利用されています。その英検を持っている人も、またそれを目指している人も多いことでしょう。他方医学については、医学英検というのがあることを最近知りました。医学の分野でも、しっかり英語で学習することが大切であることを示す、よい制度と考えます。年に一度医学英検が実施されているようです。

他方、日本の国際化が進む中で、これから医療機関に外国人が来る可能性が、さらに高まります。日本語の通じない患者やその家族に、わかりやすく英語で説明をする必要性が、今後かなり増加することも予想されます。

この意味でも、英語の文章の読み書きは大切ですし、英会話を含めた生きた英語の学習が必要です。これらの学習を比較的時間のある、大学生の1,2年生の頃にじっくり勉強することを、心がけてもらいたいものです。

生きた英語を学習する意義として、自分自身の視野を広げることにも役立つでしょう。語学を通して、その国々の文化に触れることができます。また世界各国の方々と気軽に交流する機会もふえるでしょう。将来の医師としても、また成人としてもこのような広い視野をもった人に成長してもらいたいものです。

大学では、英語以外に第二外国語を学習する機会があります。これも視野を広めるのに役立つでしょう。医学部生の多くはドイツ語を学ぶようですが、フランス語も選択できる機会はあります。

私自身は教養での第二外国語を選択する際に、多くの医学部生はドイツ語を取っていたのに対して、フランス語を取りました。大学では多くの文系の学生たちと共に学びましたが、正直試験成績はあまり良くはありませんでした。

他方生きたフランス語を学びたかったので、大学近くの日仏会館にも通い、会話も学習しました。そして一年後に思い切って欧州を旅行しました。ドイツは英語が通じやすいのですが、フランスは英語が通じない街が多く、このフランス語の勉強が少しは役立ちました。

小さなホテルのフロントで、懸命にフランス語を使って、宿泊の交渉ができて満足していました。ところが数分後アメリカ人が来て、フロントが流暢な英語を使っていたのをみて、なんや、とあきれたこともありました。でも言語を通してその国の社会の理解が、少しは深まったような気がしています。