第二章 日本民主保守党と先立つもの

そして、党首である私は我が党の候補者のいない選挙区については、熟慮した上で該当者がいないのであれば、投票用紙に『該当者なし!』と堂々と明記し、無効票とする事を呼び掛けていきます。

その上で比例区の投票用紙には主権在民と最大多数の最大幸福追求を党是とする『日本民主保守党』と明記して貰えるよう選挙戦を戦い抜いてゆく所存です。

私は失われた三〇年が日本の若者をどれだけ不幸にしているかをよく知っております。私は失われた三〇年を数年でも一〇年でも取り戻す為、政党を立ち上げ、これまでの政治と行政の不作為を正してゆく所存です。

多くの国民有権者の方々のご支持が我が『日本民主保守党』へお寄せ頂けるよう党首として奮闘努力してゆく事をお誓いして結党大会のご挨拶とさせて頂きます。本日は本当にありがとうございました」

と締めくくり大きく一礼して降壇した。会場からは盛大な拍手が送られた。

翌日の新聞の見出しには、「ついに、日本にも極右政党誕生か!」「要警戒! 右傾化」「目指すは独裁政権か?」といった見出しで、武藤と緊張関係にあった新聞社が一斉に警戒心を露わにした。

他には、「日本民主保守党誕生」や「党首抱負を語る」といった見出しに交じって、「小選挙区で重複立候補せず!」「重複立候補という退路を断っての戦いに挑む候補者」「該当者がいない時は、該当者なし!」等の見出しも見られ、小選挙区で日本民主保守党の公認候補と戦う事になる与野党の候補者に動揺が走った。

そして中には与野党で合意できるからと言って、選挙施行規則を変更して、重複立候補しているかどうかを公開しなくて済む方法を模索する姑息な者も現れ、逆にマスコミからマークされ墓穴を掘る羽目になった。