【前回の記事を読む】アメリカと日本の大学生の大きな違い。アメリカの大学生が必死で勉強する理由とは?

3 医学部教養で自由な学習を

③医学部生だって大学生

学生時代の生活は、長い人生の中でもっとも自由度が高く、かつ自分自身の生活を楽しめる機会です。中学高校での成績や大学受験での葛藤もなくなります。また社会人となった後の学習や修練も大変でしょう。

その合間にあって、各個人にとって成績や就職に左右されることなく、もっとも存分に楽しめる時期です。また人格形成にとっても大切な時期でもあります。クラブ活動をして、自分自身はもちろん、先輩後輩らを尊重してチームワークを磨き上げるのもよいでしょう。

また読書などを通して、人生観を作り上げていくのも結構です。アルバイトをして副収入を得る学生も多いでしょう。自分と違った社会を見る上で、貴重な経験が得られます。

大学のクラブ活動について、簡単にふれておきます。運動クラブの場合、総合大学では、大学向けの体育会系(本チャン)の運動クラブがあります。地方での成果をあげて、全国大会を目指す目的も規模も大きなクラブです。

そこで活躍する人の一部は、その後プロに転向する人もいます。大学在学中の大半の時間を、クラブ活動に費やして、成績を上げていきます。

医学部在学の人たちにとっては、2、3年から本格的にはじまる医学実習を、クラブ活動で休むことは困難です。従ってこの体育会系のクラブ活動に参加するのは、かなり難しいといえるでしょう。

他方医学部には、医系の運動クラブがあります。大きくは西日本医系体育大会(西医体)と、東日本医系体育大会(東医体)とに分かれ、それらの大会で成果をあげることを目指します。そこで優秀な成績を収めると、次は全国医系体育大会(全医体)にも進出できるものです。

医学生らが対象となるので、授業や実習のことも十分考慮されていて、主に平日夕方か、週末のクラブ活動になります。従って本チャンの運動部に比べて、時間の拘束も少なく、比較的緩やかな活動です。期間も4年間ではなく、6年間の活動が許されます。

クラブ内での人の交流も盛んですし、他大学の人たちとも、クラブ活動を通して、交流を図れる利点もあります。一部には、スポーツや芸術関係等で、かなり高い才能を持つ人もいるでしょう。そんな場合には、多少医学の勉強を犠牲にしてでも、専門の活動を継続したい、と考えることは理解できます。

4年間しっかりクラブ活動をして、5年生から医学系クラブに移る人もしばしば見かけます。卒業する際に音楽家になるか、医師になるか、迷っているという人にもあったことがあります。要は価値観、人生観の問題です。熟慮の上で判断されるとよいと思います。

アルバイトのことも記載します。大学受験に勝ち抜いた勉強方法や、入学試験に対する勉強姿勢や学力などは、その後も活かせることができます。その経験を家庭教師や進学塾などで活かすことができます。

進学塾でも受験に合格した経験者ということで高く評価してくれるでしょう。これまで培ってきた学習能力を、後輩たちの指導に活用してほしいものです。またよい小遣い稼ぎにもなり、学生生活が少しでも豊かになります。