運命の出会い

約束した土曜日、朝から眩しい陽射しが照りつけるヨッサンの店に、黄色いビートルがやってくる。玲子はサングラスをかけ、夏用の薄手のワンピースを着て店に入っていき、サーフボードが並ぶ店のフロアに立つ。

そこにヨッサンが現れて声をかける。

「この前、ボードを見ていた高木先生ですね。お話は伺っていますが、圭はまだ店にきていませんよ」

玲子はサングラスをとり、笑って返事をする。

「ボードが見たくて、約束の時間より少し早く来てしまいました」

玲子がボードを触りながら聞く。

「先日この店で見かけた東山さん、サーフィンがとてもお上手ですけれど、若い彼女もいて遊び人のように見えたわ。とても女性にモテそうな方ね」

ヨッサンがこたえる。

「そうだなあ、俺にはここに並んでいるサーフボードのこと以外はよくわからないけど、俺が女性だったら圭のことをほっておかないかもしれないな」

玲子がそのこたえを聞いて笑う。

「確かにあの人はこの店のボードのようにクールだから、女性はほっておかないわね」

ボードの説明を始めようとするヨッサンに、玲子が聞く。

「この前、この店のデッキに座っていた若い女の人が、今つきあっている彼女かしら?」

返事が返ってくる。

「あー、千佳ちゃんのことかな。千佳ちゃんとは一年近く続いているな」

二人が話をしていると、圭がジーパンに白いTシャツ姿で店に入ってくる。

圭が玲子に笑いかける。

「高木先生、もういらっしゃっていたのですか。気に入ったサーフボードは見つかりましたか?」

玲子はキリっとした目で、すぐその言葉に反応する。

「東山さん、その高木先生という呼び方は止めてください。仕事じゃないのだから、玲子って呼んでください」

圭が笑って言い直す。

「玲子さん、いや、玲子、気に入ったボード、あったかい?」

玲子が笑って返す。

「東山さん、急にタメ口になるのね。だけど、この店にはたくさんボードがありすぎて、私にどのボードが合っているのかよくわからないわ」

圭はワンピース姿の玲子の体つきを見て、ボードの提案をする。

「玲子は見た目が細いけど、この前サーフィンをしているのを見た時、体も柔軟でバネもありそうだったから、このあたりに置いてあるボードが合っていると思う。ところで、俺のことも東山さんではなくて、圭と呼んでくれるかな」

圭はそう言って、そこにあるいくつかのボードを玲子に見せていく。玲子は一つ一つのボードを手に取り、ボードの重さと形状を確かめ始める。

それを見て圭がアドバイスする。

「玲子、オフザリップでターンの切れを良くしたいなら、ボードは短めにして、浮力を少し増やすように少し厚めのボードを選ぶといいと思うよ」

玲子がそのアドバイスを聞いて、いくつかのボードを見ていく。

「圭、このあたりのボードが私に合っているのかしら。でもフィンのタイプがいろいろあるわね」

フィンで悩んでいるのを見て聞く。

「玲子がこの前使っていたボードのフィンは、どんなタイプだったかな?」

玲子が自分のフィンに似たものを見せる。

「私のサーフボードは二枚フィンで、形状はこんな感じよ」

圭がそれを手に取り、アドバイスをする。