運命の出会い

圭はウエットスーツの上半身裸のまま、自分のサーフボードを抱え、どんどん海に向かって歩いていき、玲子もあわてて新しいボードを抱え、後を追いかけていく。玲子にとってこんな強引な男は初めてだ。 

二人が国道に架かった大きな歩道橋を渡り、防砂林を通り抜けて砂浜までやってくる。圭は海に向かって駆けていき、子供のように喜び、「イエーイ!」と叫び声を上げ、海の中に飛び込んでいく。そこでボードの上に素早く飛び乗り、パドリングをして一人で沖に向かって漕ぎ出していく。

玲子も新しいボードに乗り、パドリングをして沖に向かう。沖には最高の波が次々に起きている。もう圭は最初の大きな波をうまくとらえ、その波の上で切れの良いオフザリップの技を連続で見せている。

玲子も次にやってくる大きな波に向かい、素早いパドリングで加速しテイクオフする。玲子は新しいボードの上に立ち、波のボトムを滑るように進んでいく。そこで、波のボトムからトップにボードを向け、オフザリップの技を試みるが、失敗して体とボードが飛ばされ、波の中に飲み込まれてしまう。

玲子が失敗して波に飲み込まれるのを見て、圭は浮いている玲子のボードのところまで向かう。そこでそのボードを押さえながら、玲子が海面に浮いて泳いでくるのを待ち、アドバイスをする。

「ターンの切れ味は新しいボードになって、とても良くなっている。ただ、まだ切り返しのタイミングがちょっとだけ遅い。俺が切り返しの時に大きな声をかけるから、その瞬間に素早く切り返せ」

玲子は

「わかったわ」

と言ってサーフボードにまたがり、二人並んで次の波を待っている。次に沖からやってくる大きな波を見て、

「玲子、テイクオフしろ」

と声をかける。玲子は勢いよくパドリングしてテイクオフし、波のボトムを滑るように進み、ボードの先を波のトップに向けて加速させていく。玲子のボードが波のトップに近づく一瞬の間を見計らい、圭が大きく声を上げる。

「切り返せ!」