特殊愛

前川さんと話をしていたら、相澤さきさんと佐々木裕太くんが私のところに来て、アルバムを見ようと言ってきた。

「私だ! 幼いなぁーコレ裕太じゃん、変わったなぁー」と相澤さんが言いながら、写真を指差す。

あれっ? 相澤さき……佐々木裕太……中学の時の2人の顔をどこかで見たような気がした。そして、私の名前、小森みなみ……。自分のアルバムでは見られなかった私の顔。人差し指をゆっくりゆっくりゆっくりとずらしていく。

えっ! 何この顔……こんなの私じゃない。

それを見た瞬間、視界がグルグルと回って、相澤さき、佐々木裕太、そしてもう1人の顔が浮かび上がってきた。これは誰、誰なの……。アルバムでその顔を探すとそれは……高橋優だった。

えっ? もしかして彼なの? と思った時……、またキーンと頭が痛くなる。会場の控え室へ行き椅子に腰かけると、目の前がグルグルと回り、頭の中にある情景が浮かんできた。

中学生の時の様子だ。

前川さんと私は、2人で地元のアイドルとして活躍をしていた。

ある日、クラスメイトの男の子から手紙を渡された。手紙を見ると、

小森さんへ

あなたの全部が可愛いです

あなたのことがずっとずっとずっと好きです。

僕と付き合ってください。

来週日曜日〇〇公園前に

午後5時から待ってます。

                      高橋優より

という私への気持ちが書いてあった。

前川さんに高橋さんから告白されたことを言うと「アイドルは絶対に恋愛NGだよ。でも、みなみの気持ちが一番だからね」と言ってくれた。

日曜日、午後5時頃に指定された公園に行く。そこには、2人の男女がいた。相澤さきと佐々木裕太。2人はダンスの練習をしていた。そこに、彼が来た。

「小森さん来てくれてありがとう」

「高橋くん、お手紙ありがとう。気持ちはすごくうれしいです。ただ、私はアイドルを続けていきたい。だからあなたとお付き合いすることはできません。ごめんなさい」と私は気持ちを伝えた。

「わかりました。お付き合いできないのですね……。僕は君の一番のファンです。ずっとずっと好きです」

「高橋くん、わかってくれてありがとう。アイドル頑張ります」

私と高橋くんは手を握ってお別れをした。

そして帰ろうと歩いた時、背後から突然頭を殴られて私は気絶した。