エッセイ 人生論 日本 人生哲学 2023.05.27 「徳」は孤独なものではなくむしろ、人と人との関係の中で。 我逢人(がほうじん) 写真を拡大 人との出逢いによって人生は始まります。“我れ人と逢う”、良き人との出逢いは心を豊かにし、人として成長するのに不可欠です。〈我逢人〉は出逢いの尊さを表した禅語です。本物の師に出逢い、自分で答を見出して行く中で人生は大きく変わります。 “あの人に逢えてよかった”、そう言われる自分でありたいものです。
小説 『毎度、天国飯店です』 【第6回】 竹村 和貢 サークル勧誘チラシの前で、『徒然草』を抱えた美人と出会った…。 天国飯店の定休日は毎週火曜日。アルバイト生四人で、月曜から土曜の間の五営業日を分担する。四人のうち誰か一人が二営業日に入る。その者以外の三人のうちの一人が日曜日に店に入る。日曜日は大学が休みなので、朝の十時から閉店の午後九時まで十一時間店に入ることになる。「ほな、俺、明日もバイトやさかい、おっちゃんに自分のこと話してみるわ。多分、おっちゃんも構へん言わはる思うねんけど」夏生は、「できない」とは思…
小説 『ブッダの微笑み』 【第14回】 黒坂 和雄 火を焚き、神に生贄を捧げても、気持が晴れやかにならないのは何故なのか? 幻影が中田に入ってくる。幻影がゴータマの言葉となって語り始める。「わたくしが〈火を焚くということは単なる行為にすぎず、火が何かを浄めるということはない。また、祈るだけでは、それを成就する条件とはならない。〉と告げると、ウルヴェーラー・カッサパは語気を強めてわたくしに反論してきた。『沙門よ、ゴータマといわれたな。よう聴かれよ。バラモンが行う祭祀に効力があるのは、バラモンの行為は宇宙の根源と結びつい…