第一章 名言は処世のサプリメント

一陽来復(いちようらいふく)―易経―

「一陽」とは「陽」の兆し。「来復」とは再び巡ってくること。一陽来復は冬至を表す言葉です。

一年中でもっとも昼間の時間が短く、この日を境に日が長くなります(夜は陰、昼は陽)。生物の生成を「陰陽」に分け、冬至が陰の極点となり、この日から再び陽の気が増してくることを祝った言葉です。

弱まっていた太陽の力が再び甦ることにあわせて、気持ちも一新したいものです。

温故知新(おんこちしん)―論語・為政編―

元の言葉は「子曰温故知新可以為師矣」(子曰く、故きを温めて新しきを知れば以て師と為るべし)。

「温」は温めるのほかに尋ねる・習う・復習する・よみがえらせるなどの意味があり、「故」は昔・以前・もとより・古いを表します。

先人の残してくれたことを大切に学ぶことは物の道理を知ることであり、そこから新しい発見が得られるという教えです。