求めるものは──

林は霧の中に続いている

乳白色のどんよりとした悲しみの中に

あの奥から探し出そう、私のものを

望みながら手に入れられない美しいものを

竹が雪をかぶってうなだれている

霧の中で若々しいうぐいす色

あの中にとじこめよう私の追憶

今になって匂い立つもはかないもの故

頂上の樹木達は降り積もった雪の中

薄暗い灰色の中に細い枝を伸ばしている

君よ、そこに居る虚無を見たか?

誰も居ない雪の山道を

哀傷を拒みつつ、鋭敏をならしつつ

透明なもののみを求めて行く ──