【前回の記事を読む】大学医学部の狭き門を潜り抜けた人へ質問「君は何しに医学部へ?」

2 医学の分かれ道

①君は何しに医学部へ?

ずいぶん前になりますが、私の学生時代でも医学部はそれなりの人気がありました。そこに合格するための偏差値は、他の学部に比べてすでに高い傾向がありました。

私のお世話になった高校の同級生には、ずば抜けた学力の女子が4名いました。うち2人は医学部に、2人は薬学部に進学し、医学にかかわりを持ちました。また留学後復帰した一年後輩のクラスでは、ずば抜けた学力のある友人がいて、東大医学部に進学しました。本人の希望もあるのでしょうが、高校からの指導も強く働いたのかもしれません。

その後医学部の人気上昇と共に、偏差値は、さらに高まりを見せています。現在では他の学部に比べて極めて高い、狭い登竜門となっています。

ただし最近のコロナ禍で医療がひっぱくし、かつ感染リスクの高い過酷な職業となっています。あちこちの報道で広く伝わっています。ひょっとすると近い将来、現状のきびしい仕事環境とみられがちな医学部選択の進路は、敬遠される時代が来るかもしれません。

他方ここ数年不景気で、就職も厳しい社会情勢が続いています。このような時代では、免許や資格を有する職業が好まれる傾向もでてくるかもしれません。

医師はもちろん、資格として魅力があります。他方薬剤師、看護師や技師等、医療チームの職業も、しっかりとした資格があります。それぞれに専門の大学学部や専門学校などでの研修が求められます。このような職業に就くことで、将来安定した職として、仕事ができる利点はあるとも言えます。