【前回の記事を読む】過ちの「繰り返す」をなくすため…勇気を持って果たすべき「上司、先輩」大切な使命

「否定」

とても嫌な、耳障りな言葉が登場しましたね。

「否定」。基本的には「否定」はするべきではありません。先に登場した「肯定」と真逆で「負」の効果しかありません。何かしらの理由で、どうしても相手の意見や発言、行動を「否定」しなければいけない。そんな場面に出くわした時に気を付けるべきポイントは二つだけ。

まずは、「1回否定を発動するためには、事前に10回肯定を発動すること」です。言い換えれば、普段から継続的に「肯定」を発動し続けている人は、いざという時に「それは違うなぁ」と「否定」を発動しても、相手は素直に受け入れられるはず。

「肯定」が紡いだ「絆ポイント」が、その人との関係性をつくってくれたため、「否定」の発言も真摯に受け入れてもらえるインフラが整ったのです。「何を」いっているか、よりも「誰が」いっているか、ということの方が、強い影響力を発揮する、という事実はよく知られています。

「いっていることはごもっともなんだけど、この人のいうことは聞きたくない」「いっていることはちょっと疑わしいけど、この人のいうことならやってみよう」どちらもよく耳にしますが、象徴的なセリフだと思います。

二つ目。この「否定」の発動にも「肯定」が影響します。

「指導」「叱責」でも触れましたが、「一人称」の「肯定」が、結果的に「否定」の発動となることがあります。

「それは違うんじゃないのか? お前、おかしいよ」とダイレクトに「否定」するケース。「そうかなるほど(肯定)。俺は(一人称)は○○(相手と反対の意見)だと思うけどな」と結果的に「否定」するケース。否定された側の受け止め方には大きな差が出る。こちらも容易に想像できますね。

「10回『肯定』すれば1回『否定』する権利を得る」「否定は、まず『肯定』してから、『一人称』で反対意見を」管理職の方、所属長の方、肝に銘じておきましょう。

「無視」

これは最もネガティブな効果を発動する行動です。何らかの理由で、どうしても相手との関係を完全に崩壊させたいという時にのみ、意図して使いましょう。LINEの既読スルーなど、よく聞きますが、された側のダメージは計りしれません。

今は便利な世の中です。LINEであればスタンプ一個でも気持ちは伝わります。送信にかかる時間はわずか2秒。やらない理由は、ほとんどないはずです。忙しさにかまけて、意図せずノーレスポンスを繰り返している人は要注意。気づかないうちに「絆ポイント」を失っている可能性があります。