脳科学者の藤田晢也氏は、その著『心を生んだ脳の38億年』(岩波書店1997)で、「生きものでは、あらゆる構造や機能が、自己存在と子孫の永続という第一目的のために寄与する『合目的性』に貫かれています」と述べています。

合目的性とは、「ある物事がその目的にかなっているさま」と『明鏡国語辞典 第三版』(北原保雄編集主幹 大修館書店2020)に記されています。生きものの体の作りや機能は、その生きものがよりよく生きてゆくことや子孫継承が可能な方向に成長していくように仕向けられているということです。

これこそが進化の要因だと言えるのではないでしょうか。

合目的性という言葉は、学者の方々が生物の成長していく様子や進化していく様子を観察して発案された言葉だと考えられますが、確かに理に適った気づき(発見)だと言えましょう。

しかしながらよく考えてみると、大自然は、どうして合目的性の目的(生命維持や子孫継承への方向性)を特定することができたのだろうかと不思議でならない面もあります。

いずれにしてもそれらの永遠の謎をナチュラルに成し遂げたのが大自然なのです。生物個体の成長発達の方向性や進化の方向性等々が、かくも整然と進行していく舞台を演出しているのは(ひとえ)に大自然の条理なのです。どうして大自然はこのようなことができるのでしょうか。

この世の中は、まだまだ人知の及ばないことでいっぱいです。