日頃の生活の中で、悩みや不安を感じているか聞いたところ、「悩みや不安を感じている」と答えた者の割合が77・6%と過去最高を記録し、「悩みや不安を感じていない」と答えた者の割合16・7%を大きく上回った。

前回の調査は新型コロナ感染症禍以前の2019年で、その時の63・2%から大きく増えている。圧倒的に不安を抱えている者の割合が高いのがこの国の現状であることがわかる。都市規模別に見ると、「悩みや不安を感じている」と答えた者の割合は、前回調査では都市部で高かったが今回の調査では都市規模での差異はなくなっている。

性別で見ると、「悩みや不安を感じている」と答えた者の割合は男性よりも女性が高く、また年齢別で見ると、「悩みや不安を感じている」と答えた者の割合は40歳代から60歳代で高くなっている。

次に、日頃の生活の中で、「悩みや不安を感じている」と答えた者に、悩みや不安を感じているのはどのようなことか聞いたところ、「自分の健康について」を挙げた者の割合が60・8%、「老後の生活設計について」を挙げた者の割合が58・5%、以下、「今後の収入や資産の見通しについて」(55%)、「家族の健康について」(51・6%)、などの順となっている。

現在の日本人の心の有り様が「幸福度ランキング」「自殺率」「国民生活に関する世論調査」の結果から垣間見える。言い知れぬ不安を多くの日本人が感じている。特に「老後の生活設計」や「今後の収入や資産の見通し」に対しての不安は、それを一層深刻なものにしている。

冒頭に書いた「収入を得るために働き続ける」という方法の選択を否定するものではないが、「働き続けるという方法しか選択肢のない生き方」で、果たして一人ひとりの幸福度は高まり、生活に対する不安は解消していくのだろうか。

多くの人が、将来に不安を感じることがないよう、懸命に働き、貯蓄を増やし、経済的ゆとりを生み出そうとしている。その上で、更なる経済的ゆとりの創出を目的として、株式の運用等、その他の方法を模索している人は少なくないと思う。