第2章 とんでもないことが起きた!! 事の顚末と悲劇にこうして向き合った!!

第5話 先ず初めに管理組合を立ち上げた

以後、D社には、今日に至るまで管理業務をお願いしている。年に1度、理事会と総会を行う。私は管理組合の立ち上げ当初より理事会役員として関わり、現在は3つの物件で管理組合理事長の立場にある。

前述の田中氏も理事の立場で管理組合の運営を共に行なっており、この関係も10年を超えた。それぞれ遠く離れた地にいるため直接お会いするのは理事会と総会の機会のみであるが、前日夜の懇親会はとても楽しい時間になっている。彼との出会いも投資マンションの所有がとりなしてくれた出会いである。住む場所も職業も全く異なる者同士が出会い、意気投合し、今では将来の人生の楽しみについても共有する関係にある。

この田中氏と共に、物件管理について疑問点を整理し、D社に質問し回答を得つつ、管理組合として管理状況の把握に努めていった。当初最大の問題は、修繕積立金の計画的な確保であった。大規模修繕は15年から20年前後で行わなければならない。建物の規模からおおよそ3千万円ほどを準備しておく必要があった。これがB管理で適正に管理されていなかったため積立金ゼロからの始まりになった。

目標金額を設定し、年次計画で諸費用を算出し、区分数を基に積立金の月額を算出していった。管理費設定や金額の変更については、D社が立案し管理組合理事会で審議し、総会で決議した後決定となる。投資マンションは、物件を所有するオーナーとそこに居住する住人が異なる場合がほとんどであり、物件管理についての各オーナーの意識がなかなか計りにくい。そのため理事会の果たす役割はとても重要になる。

具体的なプランを考え提示してくれるD社に繰り返し伝えたのはウィンウィンの関係を常に意識して業務にあたって欲しいということだった。それぞれの物件の各オーナーは非常に辛い立場にいることを認識し、D社も利益を上げつつ、各オーナーにとっても長期的な視点で保有し続けることの価値が明確になるように伝えた。