豆まいて、夜空に願う(2021年1月)

まもなく節分。今年の節分はいつもより1日早く2月2日だ。なんと、2日が節分となるのは、明治30年以来124年ぶりの珍しいことだ。逆に、37年前の昭和59年には、1日遅れで4日が節分であった。

なぜ、このようなズレが生じるのか調べてみた。簡単にいえば、(うるう)年と同じ理由である。地球は太陽の周りを1年かけて回るが、正確には365日と6時間弱かかる。4年で24時間弱のズレが生じるので、これを修正するために4年ごとに1日プラスする。これが閏年だ。ところが、閏年に24時間プラスすると、若干増やしすぎることになり、季節感覚として徐々に微妙なズレが生じてしまう。それをさらに修正するために、節分が早まったり遅くなったりするそうだ。

ちなみに、来年以降は、しばらくの間は閏年の翌年の節分が2月2日になり(次回は2025年)、例外的に2057年と2058年は2年連続で2月2日になるなど、今世紀末にかけて2月2日になる頻度が高まるという。このような話を聞くと、これらの計算をして暦をつくったり星の動きを調べたりできる人間ってすごいなぁと改めて思う。

星の動きといえば、毎年、いろいろな天体ショーが繰り広げられているが、昨年12月中旬~下旬にかけて見られた木星と土星の超大接近はなかなか見応えがあった。接近といっても、実際に星と星が近づくわけではなく、地球から見てほぼ同じ位置に見える、見かけだけのものだが、星と星がくっついたような、八の字を横にしたような姿が肉眼でも観測できて面白かった。

この他にも、スーパームーンやブルームーン、流星群など、様々な星の余興が毎年あり、天気さえよければ僕は自宅の前から眺めることができ、人里離れた街灯も少ない山奥に住むことの贅沢さを改めて実感する。

八雲の市街地に住む人でも、ほんの10分か20分車を走らせれば、灯りの少ない海岸線や広い牧草地など、星空を見渡せるスポットはたくさんある。コロナで都市に住む人ほど生きづらさを強く感じる今だからこそ、田舎のよさを再確認して、夜空でも眺めてのんびりしたいものだ。

124年ぶりの2月2日の節分には豆をまいて、夜空に請いてみよう。