僕自身、振り返ってみると、承認欲求が暴走していた時期が幾度かありました。また、他人が暴走している場面に幾度か居合わせました。 珍しいことではありません。そんな過去の自分や他人を冷静に見た時、幸せからは随分かけ離れているようでした。

これを読まれているあなた。もし承認欲求で悩んでいるのなら、この機会に一度それについて正面から向き合ってみてはいかがでしょう。自分と向き合うことは自己癒しの一歩です。

ではここで、承認欲求が暴れ出しそうになった時の対処法を伝えますね。

まず、承認欲求を抱えている自分を「エゴの自分」。そしてそれを俯瞰(ふかん)で見ているもう一人の自分を「本当の自分」と想定してみてください。エゴの自分が認めて欲しいと執拗に訴えてきます。本当の自分は、その欲求を抱えたエゴの自分をしっかり抱きしめてあげるのです。ちょうど赤ちゃんを抱っこするみたいに。その時の感じを比喩すると“優しく、そっと”です。

「そうだね。辛かったね。ここまでよく頑張ったね。その気持ちよくわかるよ」「でも、大丈夫だからね。あなたは間違いなく認められているからね。愛されているからね」。泣き叫んでいる我が子をあやすようなイメージで。

それが上手にできるようになれば、怒り暴れている赤ちゃんはやがて泣き止んでくれます。

コツはしっかり自分の心を観察すること。素直にその時の感情を認めてあげること。そしてできる限り早い段階であやしてあげること。「寄り添い」と「大丈夫、愛されているからね」の声がけが重要です。くれぐれも暴れMAXで手がつけられないようになる前にです。

水道のホースが狂った蛇のように暴れ回っている様子、見たことありますか? あんな状態になってしまうと水栓を閉めるのもたいへんですからね。

できごとを点とするなら、その時点でしっかり気づいてあげることが大切です。点が線になると面倒なことに。なぜならエゴを乗せた線は、執着に向かって延伸していくからです。

たとえば、転んで擦り傷を負った時、あなたはどうしますか? 消毒をして絆創膏(ばんそうこう)を貼りますよね。それをしない場合、傷口が化膿する恐れがあります。化膿したら完治するのに時間がかかります。それと同じで、早い段階での処置が肝心です。