地球の東西南北の風土と陰陽

人類はアフリカ大陸で猿から進化して人間になったと考えられており、その後、アフリカ大陸を出て世界各地に移動して、その土地の環境に適応しながら生きてきましたので、人間の性質に違いをもたらしています。

特にユーラシア大陸の東と西とでは思考する時の脳の使い方や行動様式に大きな違いが見られます。このような違いをもっと詳しく、国を例にして述べてみたいと思います。

ユーラシア大陸の中央をインドとして、東へ行くほど陰の感性の性質が強くなり、過去の伝統や文化を守っています。西へ行くほど陽の理性の性質が強くなり、未来の革新的な文明を作り出そうとします。

地球の北半球では東端をシナ(中国)として、そこから北へ行けば寒さのために陽の性質が加わり、南へ行けば暑さのため陰の性質が加わります。西端をヨーロッパとして、そこから北へ行けば寒さのため陽の性質が加わり、南へ行けば暑さのため陰の性質が加わります。ただし、南半球では南へ行けば陽の寒さが加わり、北へ行けば陰の暑さが加わります。

ユーラシア大陸の東端から海を越えて東へ行くと陰の強い感性を持ちながら陽の理性が加わります。少し東へ海を越えた国、台湾は陰の収縮の性質が強く残っているため結合して一つの島国になっていますが、さらに海を越えて東へ行った国、日本は陽の膨張の性質が強くなって分離した島々で一つの国になっています。

ユーラシア大陸の西端から海を越えて西へ行くと陽の強い性質を持ちながら陰の感性が加わります。少し西へ海を越えた国、イギリスは陽の膨張の性質が強く残っているため分離した島々で一つの国になっていますが、さらに海を越えて西へ行った国、アメリカは陰の収縮の性質が強くなって南北で一つに結合した大陸になっています。

このような性質が現れる原因は、主に地殻の下で対流しているマントルによるところが大きいのです。日本列島の下ではマントルが下降流となって沈み込み、地殻を求心力で引き寄せており、アフリカ大陸の下ではマントルが上昇流となって浮き上がり、地殻を遠心力で押し出しているのです。

二億年前には一つの「パンゲア」という超大陸であったものが、分離移動して現在の大陸地形になったのです。このような大陸の分離移動に伴って、人類の祖先もアフリカ大陸から出発し、東へ行くものはアジアから台湾へ、そして日本へと引き寄せられ、西へ行くものはヨーロッパからイギリスへ、そしてアメリカへと散らばって辿(たど)りついたのです。

このほかに陰の感性と陽の理性の性質を強めるものとして気候があります。東洋では暑くて湿潤な気候が感性を強め、西洋では寒くて乾燥した気候が理性を強めています。

また島国は海によって閉じこめられているので感性が強くなり、大陸は陸続きで開放されているので理性が強くなります。このように、さまざまな環境の要素によって人々の行動が決められ、伝統、文化、革新、文明などが作られていくのです。