【前回の記事を読む】宇宙はどうして膨張するの?「陰陽の原理」から見てみよう!

第一章 陰と陽の智慧

地球と陰陽六行説

陰の物質の大きな塊である地球について考えてみましょう。すでに述べたように、地球には六つの力が働いています。上から順に、日光の力である太陽、空気の力である風、命の力である生物、大地の力である山、水の力である海、マントルの力であるマグマが相互に力を交換しながら調和を保っているのです。

この力は上から順に、(くん)()(きん)(もく)()(すい)(そう)()と呼び、六つの力が影響し合うので「六行説(ろくぎょうせつ)」といいます。この六行は左右に分かれて右側に陰の金、土、相火が並び、左側に陽の君火、木、水が並びます。この六行は上中下に分かれて、上の陽は明るく、軽く、速く動きます。下の陰は暗く、重く、遅く動きます。表紙では右陰を白黒の世界で描き、上から青空を下からマグマの赤をのぞかせました。左陽は色の世界で描き、虹色の七色に分けました。

[図]地球に働く6つの力

日光は、陽極まって陰になる時の融合のエネルギーを光として上空から地球に降り注ぎ、熱に変換して地球を暖めています。反対に地球の内部からは、陰極まって陽になる時の分裂のエネルギーでマントルを熱くし、地球を暖めています。日光は軽い原子がつくる陽のエネルギーであり、マントルは重い原子がつくる陰のエネルギーです。このように陰と陽の両方のエネルギーに包まれて地球は温暖であり、生物が進化できる環境が保たれているのです。

陰陽を左右に分けるのは、左右を比べた時に右陰は動きが遅く緩慢(かんまん)であり、左陽は動きが速く活発だからです。左陽の上、君火(日光)は世界で最も速く動くものであり、右陰の上、金(空気)は風となって動きますが、日光に比べれば動きは遅くなります。左陽の中、木(生物)は多様で、特に動物の鳥は空中を速く飛び、人間はさらに飛行機という道具を使って、速く動くことができます。

右陰の中、土(大地)はゆっくり動いています。左陽の下、水(海)は海流となって大きな循環を行っています。右陰の下、相火(マントル)は地球の内部で対流しており、ゆっくりと動いています。

この地球という小宇宙の中で、六行のエネルギーがうまく循環して温暖な環境を維持し続けてこられたので多様な生物が生存でき、人類が特別な進化を遂げることもできたのです。

この六行の中で、水は温度によって固体、液体、気体へと相転移することで地球の温度を温暖に保ち、水が液体で存在する環境を維持することができたので、生物が多様に生きられる奇跡のような地球という星がこの大宇宙に存在しているのです。