【前回の記事を読む】「執着を手放すと何が起きるか?」般若心経から人生へのアプローチ

第1章 般若心経「(くう)」的生き方の智慧

「あらねばならない」があなたを苦しめる

あなたはどれだけ「こうあらねばならない」を抱えていますか? そしてそれが多ければ多いほど、自身の首を絞めていくことに気づいていますか? 「こうあらねばならない」が強い方が、その状況から離反せざるを得なくなった時、自分が信じていた概念は崩壊します。大袈裟に言うと心の支えが無くなります。

ずっと「こうあらねばならない」を手放せないでいることが、苦しみを伴走させる結果を招いていたとしたら、それは悲劇です。でも、あらかじめ「あらねば」いわゆる“頑なさ”を手放す(すべ)を知っていたとしたら、少し安心できると思いませんか?

般若心経は「こうあらねばならない」を手放すことで苦しみから解放される。その道理を説いています。では、その道理とは何か? 般若心経的には「空」の智慧を実体験に照らし合わせながら理解し、腑に落としていくことです。

その「空」の智慧とは、先に示した「すべての事象には実体がない」ですが、それを平たく言いますと「目に見えているものがすべて真実ではない。見えているものの奥に真実が隠されていることがある。ゆえにそこを観察することが大切」となります。

しかし、これを理解するには普段から観察意識を持つことと、そこからの気づきが必要になります。つまり時間がかかります。

そこで今回は、般若心経の全体像を理解できなくてもできる「こうあらねばならない」を手放す方法。別の切り口で「こんなことを意識すると良い」を、お話ししますね。