投資信託

金融商品の売買(取引)を通じてお金を増やす活動そのものを商品化したものが、投資信託です。

Aさんは主に新興国の国債の取引を通じて資産を増やす活動(運用)をします、Bさんは国内の有名銘柄の株式の取引を通じて資産を増やす活動(運用)をします、といった感じでAさんやBさんの活動を商品とします。

AさんやBさんという個人の名前を、ファンドマネージャーという肩書きと銘柄という商品名に覆面化しているのが投資信託です。

これらの商品の購入に際しても信用が基準になります。ですので、実績が大事な情報です。その実績と同程度の利回りを期待するのも当然のことと思います。

しかし、金融商品自体が信用や期待に依存しているものであり、根本的には誰かの負債に依拠したものです。過去の利回りどおりになるとは限りません。

それにしても、投資信託とはギャンブラーにお金を預けて増やしてもらっているように見えてなりません。損することも考慮して成功報酬を要求せず手数料で稼ぐあたりが賢い、と思うのは穿(うが)った見方すぎるかもしれませんね。

「打ち出の小槌」と化す金融商品

金融商品を打ち出の小槌のように扱い、お金を増やすことを資産運用とも呼び、一般化しています。

そして必ず言われるのが、元本保証されていない、という一言です。元本とは元手のことです。つまり、投じたお金が全額戻ってくることは保証されませんよ、ということです。

ただし、マイナスにはなりません。最悪ケースでもゼロになるだけです。借金して投資をする金融商品や、かなり儲けた翌年の税金を勘案すると、トータルとして考えた場合はマイナスにもなりかねませんが、基本的には金融商品そのものがマイナスにはなりません。

そういう見方をすると、ギャンブルと同じともいえます。競馬、競輪、競艇、パチンコ、スロット……。いずれも、最悪の場合でも、賭けたお金が無くなるだけです。

様々なギャンブルで共通していわれることは、一番儲かっているのは胴元だ、ということです。しかし金融商品の場合は、そうとは限りません。

こういう話をすると、マネーゲームをギャンブルの一つとしてお勧めしているようですが、真意は違います。

冒頭にも説明したように、金融商品が存在しないと、資金がない人は事業を始めることができません。将来どうなるか分からない状況の中で、一緒にリスクを引き受けることが金融商品の姿なのです。

ぜひ金融商品を取引するときには思い出していただきたく思います。金融商品は、直接的に何かを生み出すわけではありませんが、生まれつつある何かを一緒に育てているのです。そんな気概を持ってもらえればとも思います。