──当初の私たちの予想はいい意味で裏切られ、楽しく過ごしているうちに時間はあっという間に過ぎた。

「どうする? まだ終電まで時間もあるし、この後反省会でもする?」

思いがけず気になる人を見つけてご機嫌なリサが誘ってくれたが、私は苦笑して断る。

「今日はやめとく。ちょっと用事あるし……また今度でいいかな」

「用事? まさか、私を差し置いて抜け駆けじゃないでしょうね?」

リサにジロリと睨まれる。だんだんと日が短くなってきて、まだそれほど遅い時間ではないけれど、空はすでにとっぷりと暮れていた。

「まさか。仕事関係でちょっと」

「うーん、そっか! じゃあまた、後日改めて話そう!」

「ありがとう。気を付けて帰ってね」

「スミレも」

そうして私は駅に向かうリサを見送った。私の歯切れの悪い野暮用にも深い詮索はしない、サバサバしたところも彼女の魅力の一つだ。

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