二〇一七年十二月最初の日曜日がテストの日。郵送されてきた受験票にある会場への地図をたよりに家を出る。テストは午後一時開始なので二時間前の午前十一時に出て電車を乗り継ぎ、会場に向かう。電気工業系の大学がその場所である。

最寄り駅で降りると、すでに結構な人数が地図と同じ方向に歩いているのが見えた。一緒に歩きながら、一〇分ほどすると大学の校舎が見えてくる。大学内のグラウンドの横を通り、最初のビル(校舎)にたどりつく。エレベーターで三階へ、受験番号の教室を探す。すぐ確認できた。一〇〇人ほど入れる広さ、指定されていた番号の座席を探す。

近くにいる五~六人の学生の一人に「なぜこのテストを?」と聞くと、「ゼミの教授に就職に有利だから受けておけば……と言われたから」、残りの一般の人に同じことを聞いてみると、「合格すると今の会社の昇格、昇給にプラスに作用すると先輩に言われ、来ている」という。二〇代~四〇代の人ばかりだった。

Jこと私のように理事会に役立つからと考える人は一人も来ていなかったと思えた。国土交通省が外郭団体に委託して実施しているこの資格テストは、資格取得しても理事会には使わない人たちでいっぱいだという現実にびっくりする。

また、Jのような定年後一〇年以上にもなると、こんな若い人たちに比べ、記憶力はおとっているし、体力も不足している。今日覚えた事柄を翌日反復してみると、忘れている場合も多い。Jとこの若者たちとの対決は、どうみてもJにとって不利である。

本日の結果は、翌年一月の中旬に郵送で通知されるという。二〇一八年一月一七日発表の日、不合格のハガキが届いた。