健常児の親には聞けない助言も…

2泊3日の合宿の間、子ども達にどんなことを体験させるかは、学生ボランティアさんに企画から全てお願いしました。ハイキング、ミニ運動会、スイカ割り、夜はキャンプファイヤーと花火、フォークダンスなど、翌朝は、広場に出かけ親子でラジオ体操をしました。

[写真2]朝のラジオ体操
[写真3]ミニ運動会の「パン食い競争」

学生さんが、どんなに一生懸命企画して下さっても、自閉症の子ども達は、フォークダンスなど、皆、「我、関せず」。そこを、お母さん方は頑張って踊って輪に引き入れます。花火も無理やり持たせます。一番喜びのってくれるのは、一緒に参加したきょうだい達。学生さん達と楽しい一時を過ごします。

キャンプファイヤーも終わり、宿に帰ると、ボランティアさん達に、子ども達をお風呂に入れ、寝かしつけるまでお願いします。その間N先生を中心に夜の勉強会が始まります。N先生は海外の障がい者施設の様子などスライドで見せて説明してくれます。

各親は、一人ずつ今抱えている問題点、悩みを話します。子どもの成長と共に、「進学」の問題や、思春期の「性」に関する悩みも出てきます。小学校高学年になったら、男の子はいつまでも半ズボンをはかせず長ズボンに移行するようにという助言が先輩のお母さんからありました。

何でもないような事でも、「恥ずかしい」という言葉の意味のわからないこの子らにとって、人前で恥ずかしい事をしないための大事な助言となりました。健常児のお母さん方には聞けない問題も、先輩のお母さん方には安心して話す事が出来、親にとって大切な情報の場となりました。