絵本作戦の第二段階として、単に読み聞かせだけでなく、「キツネさんは、どんな気持ちかな? もし自分がおサルさんだったら、どう対応する? クマさんは、次にどんな行動を起こすのかな?」などと人の気持ち・次の展開予測・行動予想などをさせる。

また、「この前の絵本とストーリー展開が似ているね」などと、既読絵本と比較させて、本人の意見を引き出す。一連のアウトプット作業が重要である。

これにより、道徳観・倫理観・正義観を養うとともに、洞察力・予知力・決断力を体得させた。読解力のロジックが鍛えられる。累計で、延べ数千冊・数万回の読み聞かせを行った。絵本は、多様なジャンルから、ランダムにチョイスすることだ。

また、巷で目に留まった新作の絵本を、手あたり次第に図書館に予約する。地方自治体には、無料で手配してくれるサービスがあるのだ。親の趣味嗜好のバイアスを掛けてはならない。

また、あえて推奨絵本に拘ることなく、幅広く読む。無限の可能性を秘めた子どもの隠された引き出しに気づかなくなるからだ。この子はこんなタイプだと勝手に思い込む、決めつけのレッテルを貼ってはいけない。

ちなみに兄弟姉妹であっても、固有の能力を伸ばす引き出しは、それぞれまったく異なることを認識しておく。これは、同じように育てたつもりでも、画一的な性格にはならないことから、容易に推測できる。

正義の味方になりたがる子どもは、さるかに合戦のような勧善懲悪の昔話に、過剰に反応する。また親も、神話や伝説や伝記などから人生の教訓を根本から学ぶことができ、親子ともに成長できる。

そして小学生あたりからは、徐々に、絵のない大きな活字の本に切り替えていく。さらに、声に出す音読を試すと良い。脳の活性化により、読解力が高まり、滑舌も良くなる。リビングルームの壁に「今年の目標百冊読破!」などと、アナログの折れ線グラフで表すと、楽しい。

続いて、子ども新聞や一般紙や情報誌などの切り抜きを、ランダムに与える。自らの意思で書籍の選定・読書ができるまでのウォーミングアップの助走期間である。新聞記事や

チラシは、世間を垣間見る社会勉強の一手段として、とても有効である。ちなみにトヨタの朝礼では、「今日は何の日」を題材として、持ち回りでスピーチをさせるしくみがある。

タイムキーパーにより、5分間の計測が行われる。

絶えず、「このニュース、君はどう思う?」とか、「このマンション、どんな人が購入するのかな?」とか、「この特価のリンゴのコスパは、どうかな?」などと、意見を求めよう。

各コンテンツを恰好(かっこう)のネタにして、親子でとことん考察したい。

日本の教育は一つの正解に早くたどり着くやり方であるが、実社会に出ると正解のない難題に立ち向かい、レスポンス良く最適解を求める問題解決をしなければならない。自分の考えをしっかりと主張できるような自分軸をもつための訓練と考える。