【前回の記事を読む】学生だけの問題ではない?大学教授も悩ませた「ブラック企業」

ホームステイ

わが家にアメリカ人の大学生が二月二日から五日までホームステイすることになった。中学生の時に神栖市とユーリカ市の交換留学制度を利用して来日したことがあるので、J君の神栖訪問は二度目である。現在はユーリカ市から車で二〇分ほどのリオデル市に母親と弟と一緒に住んでいる。

神栖市国際交流協会(KIFA)のホームステイ委員会は、従来は交換留学生の引率者の宿泊先をお世話するための委員会であった。引率者のお世話だけに特化していてはもったいないということで、神栖市を訪れる外国人にホームステイ先を提供できるように変更した。J君はその第一号でわが家に四泊、A家に五泊、B家に二泊、C家に三泊で二月一五日まで滞在する。

J君は高校生の時FM放送で神栖市とユーリカ市の姉妹都市関係が停滞していることを聞いて矢も楯もたまらなくなった。その放送は私たちが姉妹都市関係改善のための交渉にユーリカを訪れた時にお世話になったN氏によるものだった。両市の交渉では姉妹都市関係を続行しようということになったが、実際にはその後も停滞が続いている。訪問した時にN氏と親しくなっていたので、ユーリカの市役所や市長に対する働きかけもお願いした。

N氏が市役所を訪問してメモを残してもなしのつぶてだったので、彼も業を煮やしてFM放送の出番の時に「姉妹都市関係を継続できないならその理由を説明すべきだし、ただの沈黙は相手に失礼ではないか。……」と市の態度を批判した。

それを聞いたJ君がN氏に連絡を取り協力するようになった。彼らの尽力で新しい姉妹都市委員会が組織されて何回か会合が持たれたが、彼らとお偉方の間に温度差があり、最近はあまり活発ではない。

日本と違って市長や議員は給料といえるほどのものをもらっていないので、自分の生活費を稼ぐために余裕がないことが一番の問題かもしれない。神栖市が記念行事で旅費やホテル代もちで招待しても応じにくいのは、自分のビジネスを休めないためかもしれない。姉妹都市関係が順調に行っていたころの市長はお金の心配のない地域の名士だったことがそれを裏付けているように思われる。