「いや、何とかしてやりたいんだが、いい考えが浮かばなくてね」誰に言うともなく、腕を組んで言葉を吐いた。川原はじっと俺の方を見ている。多分、竹村から心理作戦という話を聞かされているのだろう。期待をにじませたまなざしだ。「そうだ。川原さん、いきなりこんなことを訊いてびっくりしないでほしいんだけど」「出た出た、私の時もそうだったのよ。松岡さんたら、意表を突くことを言い出すの」竹村が間に入り込んで、勢い…
[連載]透視男
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小説『透視男』【第8回】上田 晄暉
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小説『透視男』【第5回】上田 晄暉
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授けられた“透視力”で人助け…社内いじめを解決しようと試行錯誤
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小説『透視男』【第3回】上田 晄暉
「俺は幻覚を見ていたのではない」...ついに特殊能力を自覚する
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小説『透視男』【第2回】上田 晄暉
「一体全体どうなっているんだ?」“憑き物”が見えるようになった男の混乱
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小説『透視男』【新連載】上田 晄暉
クリスマスイブの夜、冴えないサラリーマンの前に現れたのは…?