その男は色の浅黒い、三十代半ば程の人物で、いささか日本人離れした容貌をしていた。髪の毛にはやや癖があり、黒いTシャツにジーンズといういで立ちで、どことなく一般的な植木職人風情には見えない唐突な印象だった。顎から頬にかけて、薄い髭があり、深く沈んだ目をしていた。「何だか、外人みたいな人ですね」と声を低めて彩香。「そうね。アングロサクソン系じゃなくて、ラテン系? あるいはアラブの血の少し入ったギリシ…
[連載]庭師と四人の女たち
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小説『庭師と四人の女たち』【第15回】草原 克芳
庭師というので、初老の職人を想像していたが、日本人離れしたイケメンの庭師が来て…
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小説『庭師と四人の女たち』【第14回】草原 克芳
「何でも勝手に決めちゃうんだから」悪口を吹き込む老婆の小細工…
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小説『庭師と四人の女たち』【第13回】草原 克芳
庭を自分好みに変えていこうとする女たち。店主は強く反論できず…
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小説『庭師と四人の女たち』【第12回】草原 克芳
美しい庭は、強欲な権力者が歌劇団の妾を囲った庭だった…。
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小説『庭師と四人の女たち』【第11回】草原 克芳
自分を裏切った彼氏を捨てきれない…。泣く彼女に話しかけた人物は
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小説『庭師と四人の女たち』【第10回】草原 克芳
「彼に、別の生活があったんです。わたしの知らないところに、もうひとつの生活が…」
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小説『庭師と四人の女たち』【第9回】草原 克芳
サングラスをかけて入ってきた横柄な態度の女性客にイラッ!
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小説『庭師と四人の女たち』【第8回】草原 克芳
鬱な毎日…しかしある日覚醒し、どんどん人生が好転するように!?
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小説『庭師と四人の女たち』【第7回】草原 克芳
彼の隣の可憐な少女に嫉妬して...「髪を、毟るように引っ張った」
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小説『庭師と四人の女たち』【第6回】草原 克芳
「あのヒトは不器用なの、だからあたしが付いていてあげないと。」
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小説『庭師と四人の女たち』【第5回】草原 克芳
「とんでもない婆さんだわ…」夜に覗いたアパートで老婆が見た光景
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小説『庭師と四人の女たち』【第4回】草原 克芳
喫茶店で暇をつぶす老婆。若者をやっかみ半分で噂する本意は…
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小説『庭師と四人の女たち』【第3回】草原 克芳
口さがのない老婆の自虐「妖怪が一匹、そこにつっ立ってるんだ」
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小説『庭師と四人の女たち』【第2回】草原 克芳
不思議な雰囲気の喫茶店。ママの健康談議に耳を傾けるのは…
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小説『庭師と四人の女たち』【新連載】草原 克芳
「ウチはね、こだわりの店なの」不思議な魅力を放つ喫茶店、その名も『パンタレイ』