〔呼吸法を行なうための注意点〕

①大小便を済ませ、空腹時に行ないます。

②背骨が真っ直ぐに保てる座法をとることが大切です。

③座法は椅子、安定座法、(はん)()()()、寝ている姿勢、または歩きながらなど、自分の好みの姿勢でOKです。両手はひざの上におき、手の平をひざ、あるいは太腿に向けておき上体を支えます。

④クムバク(呼吸を止める)は気持ちのよい程度に止めます。

⑤空気の綺麗な場所で行なうようにしてください。

〔丹田完全呼吸法のやり方(松尾式)〕

丹田完全呼吸法は丹田力を高める方法の手段の一つで、下腹部を動かし、肛門をぎゅっと締め、鎖骨まで空気を入れるので上肺部、中肺部、下肺部まで空気が入る深い完全呼吸法です。

①まず下腹部をへこませながら、絞り切るほど、吐いていきますと、肛門が少しずつ締まり、やや体内に入ってくる感じがします。そこで肛門をぎゅっと締め、一瞬、呼吸を止め(生理的クムバク)次に下腹のみ前に出し、

②そこから吸う呼吸で空気を入れて下腹部をふくらませ、やや胸を前に出して鎖骨まで息を吸っていきます。次に自然な生理的クムバクをし(止める時間は自由)、

③息を吐きながら、下腹部を絞り切り、肛門をぎゅっと締めます。

このとき吐く呼吸を3の長さ、吸う呼吸を1の長さで行ないます。クムバクの長さは自由で、自然的、もしくは苦しくない程度呼吸を止めます。

慣れてくると、1の長さを少しずつ長くしていけるので、より深い呼吸ができるようになり、丹田力が強化されます。

写真を拡大 [図表1]

〔笑いは短い丹田呼吸法と同じ効果である理由〕

笑うと下腹部を大いに動かすので、吐く呼吸が深くなり、副交感神経を刺激して、自律神経力を高め、丹田力の強化になります。

つまり、笑いヨガは、短い丹田呼吸法なのです。また、笑いヨガでは、身体は作り笑いと本物の笑いの区別がつかず、どちらの笑いでも、心身的に同じ効果が得られるという、科学的根拠があります。沖聖師は「笑いヨガ」を大いに取り入れていらっしゃいました。

著者松尾ひろ子が行なっている太陽ヨガは、皆さんに、楽しく深い呼吸になって頂くために、沖ヨガの笑いヨガとインドのDr.カタリアが考案した「笑いヨガ」も取り入れております。