第三章 免疫力に働きかける
22 誰もが持つ潜在能力
私がステージⅣと宣告されながらもこうして元気でいることについて、
「のり子ねえさんだから乗り越えられたのよ。私、そんなことお医者さんに言われたら、もう落ち込んでしまってムリだわ」
妹にそう言われました。友人たちからも「あなただからできたのよ」
と言われることが多かったので、自分でも「本当にそうかしら? 私が人より強気だからここまで来たのかしら?」と考えるようになりました。
「あなたはそういう運命を持っているから助けられたのよ」という人もいます。
確かにオプジーボが半額になったその月に投与してもらえたとき、発見から四カ月間でがんがどん底まで悪くなってしまったけれど、それはオプジーボがかかりつけの国立病院で首尾よく受けられるように、導かれていたからなのかもしれないと感じました。
「でも、これは私が気が強いからとか、強運だったからということじゃない。私だけじゃないはず!」
そう信じたかった。そしてまたウトウトしていると、
「皆にそういう力がある。誰にでもできる」
という言葉が脳裏に浮かびました。
「ああ、やはり皆できるんだ! だけど気づいていないだけなんだ。だから自信を持って欲しいな。誰でもがんちゃんと会話できるし、治癒能力を高めることができる!」
誰もが自分のがんに向き合えば、自分から生きる力を取り戻せるはずだと確信したのです。
「私の体重が減らなかったり、体がつらくなかったのは、がんちゃんとの会話のおかげだったんだ!」
人からおかしいと思われても、このことを広く伝えたい、とりあえず自分もがんと会話をしてみようと思う人が一人でも増えたらいい、と気持ちを新たにしました。
私自身も今でもふとしたときにがんに話しかけています。
「がんちゃん、実は今さらなんだけど……これまでがんちゃんに“悪さをしなければ、私の中にいてもいいんだよ”って言ってきたけど、できたらいなくなってくれた方が本当は有り難いの。これもまた欲張りになっちゃうかな……」

一人でも多くの人に
がんとの会話をしてもらい、
眠っている免疫力を
呼び覚まして欲しい。
なぜなら、自分の体のがんだから。