【前回の記事を読む】天井をめくると大量の銀杏の殻が…クマネズミの食料保存の謎

クマネズミ捕獲作戦

1月22日、目撃例のある建物外部の犬走りの部分にドブネズミ捕獲で用いた捕獲具を使ってテストを行うことにした、下に4箱上に3箱の合計7箱を2段に積み上げて設置し、餌付けから始めた(写真1)。

【写真1】

前回行ったドブネズミ捕獲では敷地が広く設置可能な場所が多かったが、例えば店舗内のような場合では設置できる場所が限られていて、一斉捕獲は難しくなる。そこで、1つの捕獲具で複数匹捕獲できる捕獲具を作って、それが可能かどうかを確認する必要があると思った。

今回、もう一回り大きい捕獲具を使用して、複数匹捕獲できるよう改良を加えた仕掛けを1台作った。入口を狭くした仕掛けの横に、一方通行の入り口をもう1つ設けたのだ。誘因効果を上げるため、奥にパンの小片をたくさん入れて、7箱とは少し離れた物置の入り口に設置して経過を観察した。

両方の場所で、入口のパンは食べるが中に入らない状態が一週間続いた。ドブネズミとは明らかに違っていると感じて、1月28日に、7箱の捕獲具に改良を加えた物を設置した。

クマネズミは足元が急に不安定になるのを嫌う。斜面を登った所に水平な板が有って、その板をわずか数ミリ押し下げるだけで、斜面が入口を閉じるように回転運動をするのだが、このわずか数ミリの変化を感知して嫌がるのかもしれないと思った。土を掘って地中に巣を作ることが多く、木に登る事もできないドブネズミとは大違いである。

プラスチックの板を細工して、斜面と水平な板の境界部分の上部約2㎝の所に踏み板を設けた。踏み板に前足を置き、水平な板に足を移動させても、体重が後ろ足に係っているので、水平な板は沈み込まない。足元が動かないことを確認したのち、ジャンプしてプラスチック板を乗り越える動作の最中に前足部分が数ミリ下がる。