岩を積み上げた斬新な教会

男性ガイドは博識で面白い話題をいろいろ話してくれる。

ヘルシンキの車は信号待ちでアイドリングを二秒以上行うと罰金をとられるそうだ。道理で車はゆっくり発進し、町中のムードがゆったりして気楽である。一石二鳥の名案で日本車でもまねをしたらよい。

現代的なテンペリアウキオ教会をヘルシンキ観光最後のハイライトとして訪れた。どこにあるのか入口へ着いてもよく判らない。

半円形に岩を積みあげたドーム状の山? に入っていくとそれが教会。天井のまわりに短冊を円形に切りとったように窓があり斜光がさしこんで内部を明るく照らす。内壁もむきだしの岩肌である。一九六九年に完成したスオマライネン兄弟設計によるルター派の教会である。

自然の中に抱かれたようなこの場所には、ピアノが置いてあり、コンサートもできる。ヘルシンキ市民の幸せに感服した。

こうして午前のヘルシンキ観光はほぼ終わったが、ガイド氏が触れた話を少し述べよう。この国の大きさは日本から九州を抜いた程度で、北の方は荒涼たる森と湖の原野。人口は五二〇万人という僅かさだが、現代西洋文明の模範生である。今や、女性議員の比率が三割を上回っているという。