2007年

滞在許可証

年の瀬、フランスの街はクリスマスムード一色で、スーパーもクリスマスの準備で多くの人が買い物に来ていて大混雑である。このへんは日本の正月の準備風景といっしょである。このところ寒い日が続いている。朝はマイナス四度、最高気温も一度、そして相変わらず暗い曇り空である。

さてフランスに滞在するためには許可証がいる。観光や出張などでフランスに滞在する期間が三ヵ月以内である場合にはビザは必要ない。フランスで就労する場合には渡航前にビザを取得し、入国後に滞在許可証の取得が必要だ。

私の場合は管理職扱いだったので、ビザの取得は三ヵ月程度でできたが、そうでない場合は、フランスの職安に会社(サンデン・フランス)が求人広告を三週間掲示し、応募者がなかったのでフランスの会社への入社を認めるという手続きが必要で、ビザの取得までさらに一ヵ月長くなる。

その職業がどうしてもその人でなければならないことを職安が証明して入国管理局が認めることになる。結果としてビザの取得に半年くらいかかることになる。その求人広告であるが、もしフランス人が応募してきたらどうするのか、採用しなければならないのか。そうすると日本から人を呼ばなくてもよくなってしまうではないか。

だが、心配は要らない。“日本語で仕事ができる、カーエアコン用コンプレッサー工場の生産技術者”などという仕事に応募するフランス人はまずいないからだ。ようやくフランス大使館からビザが発給されると、フランスに着任である。

次は滞在許可証の取得だ。まず入国管理局が指定した場所で健康診断を受ける。この際に“フランスに入国するには”というビデオを見せられ(英語版、フランス語版あり)、さらにフランス語の試験がある。不充分だと二百時間などのフランス語の勉強を義務付けられる。

サンデンのフランス工場の場合はブルターニュ地方でそれなりに認知されているので、同行してくれるフランス人が「ちゃんと会社でフランス語の勉強をさせますから」と説明し、フランス語の試験を免除してもらっている。その後県庁へ行き申請し、ようやく滞在許可証を入手できる。これはある種の身分証明書でもあり、常に携行を求められる。

※本記事は、2018年10月刊行の書籍『ブルターニュ残照』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。