後悔その六。本部に来てしばらくして気づいたことがあります。支店のような体育会系ノリで飲み会が開催されることが殆どないのです。飲む頻度も極端に減ります。

好きな人だけが集まっていく程度になるわけですが、久々に現場を思い出すような部署がありました。審査です。支店からの稟議書を審査するので現場に近いからでしょう。飲み会のテンションが半端ない。ってゆーか、おかしいのです。

アルハラになりますが、当然一気飲み。しかも飲み方があるのです。中華料理でしたので、その時は紹興酒でした。大きく口を開けてグラスを口にツッコミ、首を後ろに倒して一息で飲み上げるのです。周りはこう呼んでいました。

「真空一気飲み」

ただの一気飲みかと思いきや、飲み方があるなんて進化していました。女性行員も同じように飲みます。何回も。各種のハラスメント、容易になくならないと思います。

その後、いくつか異動を繰り返す中で、海外勤務について考えさせられることがありました。上司から、「どうして海外勤務をしたいの?」と聞かれたのです。素朴な質問ですが、核心を突いています。

私は自分自身の留学経験を踏まえ、海外勤務をすることで銀行の発展に尽くせることを滔々と説明しました。話を聞き終わったあと、上司はふーんって感じで、「それじゃダメだな」というのです。海外勤務をしたい理由に正解なんてあると思いますか? その人の「想い」ですので、正解なんてないはずです。

おそらく、海外勤務をさせる人材は最初から決まっています。本人の意思に関係なく。私はその選にいないのでしょう。理由は全くわかりませんが。この頃、二人目の子供を授かり妻は仕事と育児で大わらわでした。

「もう海外勤務希望するのやめない? 十年経っても全然海外行けそうな気がしないし、絶対銀行から見込まれていないよ。私も自分のキャリアを大切にしたいし」

なんて相談されて、「そうだよなー。もういいっかー、いつまでも自分の我儘言ってられないな」と諦め始めました。海外勤務に近づいている気がしないし、仮に実現しても妻に迷惑がかかるだけでした。共働きで子育てが始まると、海外勤務のハードルが一気に上がります。したくても、できないわけです。

共働きで育児が必要な時期は大体三十代から四十前半辺りと思いますが、海外勤務ができるのは専業主婦(夫)を持つ家庭か、独身に限られて来ると思います。

海外勤務とパートナーのキャリアを、子育てをしながら両立させている家庭があるのなら、本当に聞いてみたいです。どうやったら実現できるのでしょうか。

※本記事は、2021年8月刊行の書籍『これでいいのかサラリーマン』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。