役員

毎年正月になると頭取の新年の挨拶と共に役員の参拝が始まります。とても銀行っぽい風景です。「皆様、新年あけましておめでとうございます。今年の干支は「子」、陽気がいろいろに発現しようとする動きが見られる年で、~~~」っと続きます。毎年決まって干支を絡めて挨拶します。「おいおいー、頭取って陰陽五行説にも明るくないといけないのか?」「その予言、当たるのかよ。抽象的過ぎてテキトーに言ってるようにしか聞こえねーぞ」毎年思います。

その後、役員たちがずらずら並んで参拝しにいくわけです。支店でも経験しました。地元の神社へ、お作法に則り仰々しく参拝しにいきます。「はあー、これ必要か? 意味ある? 宮本武蔵も言ってたじゃねーか、『仏神を尊び、仏神を頼らず』って。最初から気持ちで負けてるぞ」

そんな役員の方たちが大事にしている物を紹介するコーナーが行内HPにあります。「お偉いさんが大切にしている物って何だろう」「偉くなる条件やヒントが隠されているかも」好奇心旺盛な私はそのコーナーを覗きにいきます。

三点紹介するのですが、大体一つはどの役員も決まって言うのです。それは家族。「なーにを当ったり前のことを。実質二点じゃねーか、インチキ!」平社員がブーブー文句を垂れながら、役員の家族の様子を伺うのです。最愛の妻、息子、娘たちと幸せそうに映る写真を見て思います。「熟年離婚するなよ」僻む私は本当に最低です。

そして、その他二点を見てさらにひねくれるのです。「なーにが博士論文だ。MBAだ。お前の学歴になんか興味ねーっつーの」「職場の仲間から貰った色紙? そんなんお世辞に決まってるじゃねーか。部下からなんだから当然。気づいてないの? おめでたい人だな」「はあ? ホールインワン賞? それ大事かあ? 他にもっと大事なもんないのか、ちいせー役員だな」とか。

小さいのは私、役員ではないと思います。しかし、このコーナーの目的、何なのでしょうか。大事な物を紹介していると見せかけて、役員の自慢になっているように思えてくるのです。私の性格が歪んでいるからでしょうか。

いっそのこと、「自慢話」コーナーにして、「どーだぁ、見たか庶民ども。オレはこんなに偉いの! てめーらとは違うの!」ってとこ見せてくれた方が、「オレも役員なりてー」って仕事頑張る人増えるのではないでしょうか。

ついでに審査員なんかもつけて、「今月の自慢話の第一位はこの人!」みたいなことすれば発奮する人出てくると思います。多分違う方向に。