支店配属

一通り研修が終わると支店に配属となります。人事部から「〇〇支店配属!」と辞令が下り、「いよいよ始まるかー!」と気合が入るわけです。

いざ支店に着くと支店長から、「新人が来るの何年かぶりだから。大いに盛り上げて」と励まされました。ただそんなことを言われても、周りが盛り上がるのは自分が失敗した時くらい。「顧客情報が入っている資料をシュレッダーにかけないでゴミ箱に捨てたの僕でーす!」「お昼食べた後に営業回りしたら、眠くなって前の車にコツンとやっちゃいました!」とか。

不思議だったのは、机の鍵をかけないで帰った時のこと、先輩社員にものすごーく怒られました。「現物とか大事な資料が入っている机に鍵かけないで帰るなんて、銀行員として失格だ。クズだ!」そう言われても釈然としないのです。「セコムしてるのにそんなに大事かぁ?」って。なんでそこまで怒るのか腑に落ちませんでした。

新人に対する指導方法はコンサルと全く異なっていました。自分の年齢に近い先輩社員が手取り足取り銀行のイロハを教えてくれるのです。これはコンサルにはなかったことで新鮮でしたが、すぐにうっとうしくなりました。よくも悪くもコンサルは放っておかれますが、銀行はべっとり先輩がついてきます。

例えば休暇申請。コンサルなら申請するのに躊躇する必要ないです。「どーぞ、ご自由に」って感じ。銀行は違いました。「お前、その日休むことで周りへの影響確認した? 迷惑かけないこと確認した?」と周囲への配慮が求められるのです。

この休暇申請しづらい雰囲気、銀行に限らないと思います。「休まず仕事をするのが美徳」これが日本の文化でしょう。少なくともオーストラリアでは理解されません。彼らは定時に帰り、プライベートの時間を優先しますから。

どちらが正しいか、正解はないと思います。どちらがいい働き方か、各自の選択です。

ただ、定時に帰宅することを日本の会社で実施するのは勇気が必要であり、非常に難しいのです。同調圧力が働く日本の文化を変えるようなものですから。これも働き方改革に期待しましょう。