ダークマター

我々のいるこの宇宙は、固まりからのビッグバンという大きな爆発から始まったと考えられてきた。爆発した後の膨張速度は、万有引力の法則では、次第に速度が落ちることになる。ところが、天体観測技術が進んだ現在で、宇宙の膨張速度を詳しく観測すると、速度が増していた。この速度が増すということは、万有引力以外の未知の力が宇宙にあることになる。この未知の力をダークマターと呼んでいる。

(1)ダークマターとはいったいなにか?

ダークマターとは、万有引力に逆らって宇宙が膨張する力で、しかも万有引力の何倍もの力がある。万有引力が恒星と恒星を近づける力に対し、その力は恒星と恒星を遠ざける力とみられる。そしてその力は、宇宙の膨張速度の加速が増す点から、力を増やす性質を持っているといえる。不思議に思うのは、その力を増やす性質を持っている点である。

(2)ダークマターは素粒子のエネルギー

これらの点から考えると、ダークマターとは、恒星間を衝突しながら往復運動する素粒子(反重力素粒子)ではないだろうか。図1は往復運動する反重力素粒子と万有引力の宇宙モデルである。

そしてこの素粒子は、恒星間が短いと力を蓄える性質があって、万有引力よりはるかに強くなり、これが宇宙の膨張運動となる。長年の繰り返し衝突で恒星間が遠くなると、力を放出する性質があるので、万有引力の力の方が勝り、これが宇宙の収縮運動になる。図2は反重力素粒子が恒星間の距離によってエネルギーがどう変わるかを表現したモデル図である。距離が短いとエネルギーが衝突のたびに大きくなる。

図3は反重力素粒子と万有引力の力関係と宇宙の膨張と縮小を表している。

もし、そのような往復運動をするならば、物質の中の原子核が素粒子の衝突によって、恒星間の往復距離の周期で振動しているはずである。たとえば、我々の太陽系と最も近い恒星系ケンタウリとは、4.19光年離れている。だから、往復で8.38年の周期で振動が起きていることになる。原子振動を長期に観測できる装置があれば、確認できるはずだ。

[図表1]往復運動する反重力素粒子と万有引力の宇宙モデル
[図表2]恒星間距離の違いによる反重力素粒子のエネルギー変化
[図表3]反重力素粒子F2と万有引力F1の力関係と宇宙の膨張と縮小