ポイント解説

源流は仲井眞県政に在り

十年以上前に仲井眞県政が苦労して蒔(ま)いた二期8年間の種子が、ここに至って見事に花開いた。そして、一括交付金など沖縄振興予算をテコに策定された「沖縄21世紀ビジョン基本計画」が数々の経済効果を引き出し、「好景気」の実を結んだのが今日の沖縄の姿である。

「自立自尊」の基本姿勢のもと、強くて、やさしい沖縄社会が近づいてきた。このような状況認識は決して誇張でもなんでもない。全ては真実の出来事なのだ。

本連載は仲井眞県政の各分野の成果について具体的に確認していくが、「経済の仲井眞」が実践した失業率改善に向けた経済・産業振興策は、特に最近になって多くの県民をはじめ、県内経済界から評価が高い。辺境の地に喘いだ沖縄経済を全国有数の「成長軌道」に乗せ、アジア経済戦略の先端を拓いた仲井眞弘多の手腕と先見性は全国的にも注目を浴び、その力量を再評価する声が強い。

仲井眞県政の失業対策を遡れば、沖縄県知事選挙の選挙公約に出発点がある。初めての知事選挙に際して、仲井眞が一丁目一番地の公約に据えたのは、常に高止まりしている沖縄の完全失業率を全国平均並みにもっていくという約束だった。

選挙で当選を果たした仲井眞は早速、翌07年4月、県庁観光商工部内(現在の商工労働部)に「雇用創出戦略スタッフ室」を設置して、「グッジョブ推進県民運動」をスタートさせる。産業基盤整備や企業誘致など経済振興の計画づくりに力を注ぐ一方で、仲井眞は自らが率先垂範(すいはん)する具体的行動を重視した。