一時頃に約束して、ロビーで三組夫婦は山本さん到着を正装して待っていた。

「どうしたのですか。皆さん、素敵な格好して?」

「今日、結婚式があるのです」

「さぁ、主役が来ましたので、準備に入りましょう」

「スタンバイお願いします」

「由紀さんは私達とこちらへ」

「山本さんは僕達と」

「由紀さん、ウェディングドレスを選びましょう」

「えぇっ! 私ですか」

「そうです。チャペルで式を挙げるのです」由紀さんが涙ぐんでいる。

「女性にとって、ウェディングドレスは夢ですよね」

四人であれこれ楽しく選んで、シンプルで総レースの長いドレス、とても素敵。

「これがいいです!」

「とっても素敵。よくお似合いよ。山本さんも二度惚れね」

「それと食事会で着るカラードレス」可愛らしい淡い紫のドレス。

「決まりだね」 

「後は、お仕度ね」

「外で待っているね」

三時頃にはお仕度が済み山本さんもモーニング姿で由紀さんのところへ来た。

「私達はでましょう」

二人だけにした。由紀さんのすすり泣きがきこえた。私達まで泣いちゃった。

そこへ男性陣。

「どうしたの?」と心配そう。

「由紀さん、泣いているの。もらい泣きしちゃった」

「そうか~」

チャペルで式、キスの長かった事を、みんなでヤジった。

由紀さんはイブニングドレスに着替えた。

「由紀、世界一可愛い」

「山本さん、素直でよろしいです」

爆笑。美味しい食事をして八時頃。

「本当にありがとうございました。由紀がこんなに喜んでいる。僕もとても嬉しいです。恥ずかしくて指輪を買うタイミングが見つけられずにいました。感謝しています」と涙を拭いた。

拍手喝采。

「山本さん、三か月に一回の会を発足しましたが入会しますか」

「内容はわかりませんが入会します」

「それはだめですよ。会の名前はTI会、妻を愛する会です」

「そんな会、あったっけ?」近藤さん。

「今、発足しました。アハハハハ」

「それは素晴らしい会だ。賛成だ」

「満場一致で決定です」

「いい会ですね。入会出来て、嬉しい」

「楽しみです。TI会員は八人ですね」

「さぁ、お部屋に戻って楽しい夫婦の時間です」

「明日、朝十時頃、ロビーでコーヒーでも飲みましょう」

今日は、孫達がお泊まりの日ですが、三人が、風邪を引いて、行けないと連絡があった。

俊さん、残念そう。最近、浩也に将棋を勝てるようになっているから、勝負したいらしい。来月までに、もっと腕を上げると言っている。嬉しい。